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105.清潔な24時間風呂の楽しみ方.

8-17-98.

その1.24時間風呂からレジオネラ菌は消えたか.

24時間風呂は、温泉のようにいつでも入りたいときにお風呂に入れるという特徴があるので、お風呂好きな人達には素晴らしい商品であると思います。また40℃近くに24時間お湯を循環させていても経済的であるようですし、更に水の入れ替えや清掃などにも時間がかからないので介護施設などでは人手がかからず大変助かるようです。

ある会社が製造した24時間風呂を使用している16軒の浴槽水について、ある研究機関の方々がレジオネラ菌の検出試験を行ったら、16軒のうた6軒(37.5%)から菌が検出された。陽性になった6軒から5軒を選び、風呂水を交換して再度細菌の検査を実施したら、5軒中3軒の風呂水からレジオネラ菌が分離され、最高値は千個(1000CFU)/mlであった。ちなみに一般の細菌の数は10万個(CFU)/mlにも達していた。

数年前の新聞などのマスコミの報道によると、24時間風呂の72.5%からレジオネラ菌が検出され、その最高値は10万個前後(CFU)/mlであった。これらの数値と比較すると、陽性率も最高値も大分低くなってきたようです。

 

その2.さっぱり売れない24時間風呂.

家電製品の量販店に入ると、多種類の24時間風呂が並んでいます。また店員の説明では「性能は確実に良くなり、古い機種に比べて絶対キレイです、安心してお使い下さい」と販売に力を入れている様子が伺えます。

24時間風呂を製造している会社の方に「24時間風呂の売れ行きは戻りましたか」とたずねてみました。答えは、私の予想をはるかに越えるもので、「殆ど売れません、一番良く出る会社の製品でも500台程度です」とのことでした。

現在は不景気なご時世ですが、「経済的で手間が掛からずいつでもは入れる」商品ですから、本来は売れてしかるべきと考えられます。それが、どうしたことか「さっぱり売れない商品」に化けてしまったようです。「100. 24時間風呂のヌルヌルはなんでしょう?」にも書きましたが、愛用者も多いはずです。

不景気も追い風になっていることもありましょうが、「24時間風呂はキタナイ」と一般消費者に植え付けたイメージを簡単には消せないことを示しているのかも知れません。レジオネラ菌が風呂水から検出されないように工夫できれば、24時間風呂はもっと多くの方々に楽しんで貰える商品になるのでしょうか。

 

その3.レジオネラ菌を消して24時間風呂の楽しみ方.

次に、役に立ちそうな情報を紹介します。上のその1.に記載した成績と出所は同じですが、24時間風呂から取り出されたレジオネラ菌は2ppm程度の塩素に曝すと一時間以内に死滅したそうです。そこで、41℃の24時間循環風呂に塩素を2ppm添加したら、約一時間は塩素濃度が維持されたが、四時間後には検出されなくなった。有機物や温度で添加した塩素は消失したのでした。

ところが、一日一回塩素を2ppm添加したら、レジオネラ菌は翌日から検出されなくなったそうです。結果として判明したことは、全員が使用した後に塩素を2ppm添加すると、翌日には全く塩素の臭気もレジオネラ菌も検出されなくすることが出来たということです。

ここに紹介した内容は、私の創作物語では有りません。正式の学術雑誌(下に記載します)に論文として掲載されています。塩素は次亜塩素酸Naを使ったようで、塩素として2ppmを添加すれば良いと書いてありますが、私はまだ計算してないのですが、次亜塩素酸Na原液をどの位添加するのかは判りません。

2ppmの塩素は、添加直後では塩素のイヤナ臭いがします。しかし、四時間経過すると塩素臭は完全に消えるそうです。毎日最後に入った人が塩素添加を実行すれば、少なくとも翌日はレジオネラ菌の検出されない24時間風呂をいつでも楽しめるようです。ダマサレタ積もりで一度試してみては如何でしょう。

論文を読んでみたい人のために、文献を記載します。

感染症学雑誌 第71巻、第8号、763-769頁、平成9年8月20日発行。

「24時間循環風呂のレジオネラ汚染とその感染防止対策」です。

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