125.いまどんな感染症が多いか. 12-26-98. @感染症発生動向調査. 厚生省は、国内でどのような感染症がどの程度発生しているのかを定期的に調査して、国民の疾病予防と健康の維持増進につとめています。この事業を感染症発生動向調査と呼び、日本全国に三千ヵ所以上の診療所や病院を調査定点として設定し、そこからの報告を一週間単位で纏めて、国立感染症研究所の感染症情報センターから毎週公表されています。その結果は、定点からの報告総数と一定点当たりの平均報告数として表されています。そこで、今回は平成10年11月1日から7日までの第44週の報告書の一部を紹介します。
A第44週(11月1−7日)報告数. この報告書は、全国47都道府県に存在する定点全ての報告を集計したものですから、記載されている数値の数は莫大で、全てを言葉で簡単に説明することは難しいのです。それで、病気を発生総数の多い順に並べると次のようになります。病名の次の数値は報告総数で( )内の数値は一定点当たりの平均報告数です。 尚、病名の前に付けた微生物の種類を示す印は、本来の報告書にはありませんが、一般の人に判りやすくするために、私が付けたものです。
◎は病原体が細菌とウイルスの場合がある病気、 流行性耳下腺炎は、徳島県で定点当たり3.40人の報告があります。手足口病、ヘルパギーナと咽頭結膜熱などは、夏期に報告数が多い病気の流行がいずれも現在も蔓延しており、同時期の例年の報告数より多い。手足口病は、富山県で依然定点当たり4.38人の報告があります。流行性角膜炎は、沖縄県で定点当たり5.00人の報告があります。
この週間報告書をなれた人が良く読むと、現在の日本国内の何処でどのような病気がどの程度発生しているかが、一目瞭然となります。例えば、昨年は150万人の患者を出したインフルエンザは、全国の診療所にインフルエンザの患者さんが何人も診察に来たようです。しかし、上の表では、定点当り0.11人であることが判ります。この表に記載した病名と数値をみる限り、ウイルスによる病気が圧倒的に多いことが判ると思います。ウイルスの病気は、特効薬がないので積極的に治すことができません。 今年の冬は暖冬で終るのでしょうか、インフルエンザはまだ蔓延してないようです。 |