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129.イオン式空気清浄機の性能. 1-27-99.

  1. 公正取引委員会の発表.

昨日(平成11年1月26日)の夜に放映されていたデレビのニュースによると、「公正取引委員会は、イオン式空気清浄機を製造販売している2社に対して、宣伝で謳っている性能と公正取引委員会の成績とに違いがあることを指摘した」ようです。また今日の新聞朝刊にも、イオン式空気清浄機の2社に対する公正取引委員会からの排除命令のことが記載されていました。一般消費者にとっては良い知らせだと思いました。

空気の攪拌装置がないイオン式空気清浄機が、例えば14畳もの広い室内(容積にすると大変なボリームです)の空気をキレイニにするとの広告文に疑問を感じていました。「細菌、ウイルス、ダニの死骸、花粉などをイオンの力で陰性に荷電させ、集塵紙でとってしまう」という宣伝文のことです。下に書きますが、これらの商品は、ある種の俗に言う「お墨付き」を頂いているヒット商品です。

テレビニュースの報道によると、「厳粛に受け止めている」と会社の広報担当者は述べたそうです。また新聞の記事によると「イオン式には他の機種にない利点があり、消費者から評価を得ていることも事実だ、公取委との見解の相違もあり十分に検討してから対応を決めたい」と2社からの発言があったように書いてありました。とすると、これらの会社は公正取引委員の命令対してこれから反論を開始するものと思われます。したがって、この排除命令がだされたことで問題が解決したことにはならないようです。いつまでに各社はどのような対応を決めるのか注意して見守っていきたいと思います。

 

A今回の報道を見聞きして感じたこと.

イオン式空気清浄機は、全く何の効果もないのではなく、何かの効果はあるのでしょう。しかし、宣伝文に記載されている内容を含め本当の性能については、消費者は独自に調べることもできないので全く判らないのが現状です。ところが、唯一のより所となる宣伝文に不当な表示があって、宣伝されている性能は誇大化されていたように感じました。性能があまり証明されない機器を購入した人のなかにも何がしかの良さを実感している方もいることでしょう。公正取引委員会は、宣伝よりは「能力が低い」と判断し、「全く効果が無い」とは表現してないようです。しかし、会社や製品の性能を信用して高いお金を払って購入した人達は、今後どうすれば良いのでしょうか。

また、公正取引委員会に今回名指しされた会社の宣伝文には、科学技術庁から科学技術庁長官賞、発明協会から発明協会賞を受賞していたり、また通産省からグッドデザイン賞の認定を貰っていることが明記されています。どのような基準で何を目的にこれらの賞が出されているのか私は知りません。例えば、通産省のグッドデザイン賞は、そんな筈はないと思いますが、デザインが良ければ性能に関係ないのでしょうか。これらの賞は、企業か個人が当該機関に申請し、多分厳しい審査を受け、ある基準をパスして初めて受けられるのでしょう。しかし、その申請書に記載してあった性能やその他の項目が誇大に記してあった可能性と、それを見抜けなかった審査機関に問題がありそうです。与えた賞は、没収または剥奪することはないのでしょうか。

更に、科学者、教授、医師・獣医師等の社会一般からすると信用度が高いと思われる人々がこれらの商品を推奨していましたが、今回の公正取引委員会の発表に対してこれらの人はどのように考えているのでしょうか。マスコミは、これらの人々からも推奨した根拠を聞き出すべき努力をしても良いのではと思います。推奨している本人に聞けば、科学的に他人を納得させられる試験結果などを披露してくれる可能性も期待できるかも知れません。

これらの立派な賞や推薦を得ている製品は、悪い商品と思わず素晴らしい商品と考えて購入した人達も大勢いることでしょう。やり切れませんね。もう少し成り行きを見守る必要がありそうです。

先般「ダマシ上手は商売上手?という文を掲載しました。この文章は、私が面白可笑しく作り話を書いているのかと思った人達から「本当の話ですか」とのメールを頂きました。また逆に話の元になった情報を私に提供してくださった方は、自分の言葉が掲載されているのに気がついて笑い出してしまったそうです。

不景気なことだけでも愉快でないのに、こんな誇大広告まであったのでは堪りません。どうすれば日本丸を善くすることができるのでしょう。

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