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150.インフルエンザ台風の猛威 7‐22‐99.

@.インフルエンザ流行の残した記録

 厚生省が公やけにしている資料から、今年のインフルエンザ流行の様子を簡単にまとめて説明します。

 今年(平成11年)の1月から2月のインフルエンザによる死亡者数は1,154人に上り、そのうち65歳以上の高齢者が90パーセント近くを占めていたようです。1月だけの死亡者数は688人で、この数値は月間死亡者数としては昭和51年2月以来の多さで、昨年の年間死亡者数の528人を大きく上回ったようです。このため、個人の発病や重症化防止を主な目的とした高齢者へのワクチンの法定接種の開始を検討しだしたようです。

 平成11年2月26日に厚生省は、この冬のインフルエンザの流行について、「患者数が減少に転じ、近く終息する」との予測を発表しました。通算の患者総数は、約550,000人で、過去10年間で最大の流行であった昨年(平成10年)の1,220,000人の半数以下にとどまっています。患者から検出されたウイルスは、A香港型が主でしたが、A型ウイルスの流行が終息するとB型の流行が発生する可能性もあります。それで、終息宣言であっても、引き続き日頃の予防を呼びかけていました。

A.インフルエンザ流行の経過

 厚生省は、感染症流行の動向を把握する目的で全国に約5,000ヶ所の診療所を定点観測点として指定し、診療に訪れた患者の病名とその数の毎週報告を受けています。それを感染症発生動向調査として公表しています。この調査結果から、今年のインフルエンザ患者数の増減をクラフにして見ました。この数値は、全国の定点からの報告数で、日本全国に発生した患者数ではありません。

 12月に入ってから患者数の増加が見られ、歳が明けて1月になると急激に患者数が増加し、1月末にはピークを迎えた様子がこのグラフから良く読み取れます。その後減少に転じたので2月末に厚生省は終息するとの予測を発表したのでした。

 通年ですと減少傾向は順調に下降を続けるのですが、今年度は厚生省の終息宣言とは異なり、3月中旬まで多くの患者の発生が続きました。その後再び減少しはじめ順調に減少中で終息に向った経過が描き出されました。

 ピークを迎えた時期までは、A香港型のウイルスによる流行でしたが、 2月中旬になって検出されるウルイはA型がほとんどでしたがB型ウイルスが散見され出し、2月下旬頃からB型ウイルスが増えてきました。2月下旬にはB型がA型より多くなり、その後はB型のウイルスがほとんどになりました。異なる2種類のウイルスの流行が起こったため、人によっては2度インフルエンザに罹ったことが予測されます。

 12月から増加し出したインフルエンザは、5月末になって漸く落ち着きました。正確に表現すると6月になってようやく11月の患者数にまで減少したのでした。患者総数こそ昨年よりは少ないようですが、死亡者の数の多さと流行期が大変に長期間に及んだことが、今年の流行の特徴のようです。

 今年の流行では、老齢者と乳幼児にインフルエンザと考えられる感染症による死亡が多いことも明らかになったようです。たま乳幼児には脳が破壊される脳症が多く見られたようでした。インフルエンザは、普通のカゼとは違い怖いウイルス性の病気です。常日頃から充分な栄養と休養を摂って体力をつけ、できればワクチン接種により免疫学的に抵抗力をつけておくことが肝要と思います。

 

後日改める予定ですが、Internet Explorer では表の一部の枠組みが乱れる場合があります。

平成10年

感染性
胃腸炎
流行性
耳下腺
水 痘 溶連菌
感染症
突発性
発 疹
乳児嘔
吐下痢
インフル
エンザ
 
11/01-07

4,323

2,056

1,922

1,437

1,400

 714

 273

_(0.11)

11/08-14

5,760

2,371

2,285

1,734

1,526

1,050

380

(0.16)

11/15-21

7,557

2,261

2,630

1,877

1,640

1,552

428

(0.18)

11/22-28

9,005

2,191

3,268

1,865

1,449

2,086

683

(0.28)

11/29-12/05

13,425

2,544

3,763

2,452

1,640

3,071

995

(0.41)

12/06-12

16,513

2,552

4,274

2,623

1,565

3,728

1,555

(0.65)

12/13-19

19,827

2,516

4,961

2,629

1,588

4,274

2,431

(1.01)

12/20-26

19,622

2,666

5,448

2,330

1,540

4,432

4,051

(1.68)

12/27-01/02*

9,565

1,410

3,436

966

892

2,290

3,726

(1.55)

    

平成11年

感染性
胃腸炎
流行性
耳下腺
水 痘 溶連菌
感染症
突発性
発 疹
乳児嘔
吐下痢
インフル
エンザ
 
1/03-09

12,251

2,858

7,238

1,121

1,406

3,225

21,051

( 8.87)

1/10-16

11,573

2,053

4,649

1,169

1,551

2,940

48,224

(20.31)

1/17-23

13,112

1,369

4,691

1,412

1,400

3,154

79,699

(33.56)

1/24-30

13,417

1,702

4,302

1,482

1,416

3,116

80,421

(33.86)

1/31-2/6

13,815

1,509

4,093

1,387

1,347

3,537

64,503

(27.16)

2/07-13

13,231

1,365

4,627

1,409

1,232

3,609

53,833

(22.67)

2/14-20

13,521

1,741

4,263

1,541

1,302

4,074

49,768

(20.95)

2/21-27

13,639

1,563

4,328

1,758

1,342

4,292

49,777

(20.96)

2/28-3/06_______

13,299

1,587

4,287

1,740

1,461

3,857

45,600

(19.20)

3/07-13

12,591

1,793

4,374

1,815

1,387

3,526

35,500

(14.95)

3/14-20

10,950

1,668

4,280

1,721

1,391

3,038

27,818

(11.71)

3/21-27

7,790

1,520

4,308

1,260

1,342

2,280

12,984

(5.47)

4/05-11

9,744

__1,728

4,864

__1,461

__1,914

_________ ___5,303

( 1.71)

4/12-18

_11,941

1,982

4,749

2,125

2,340

 

4,359

( 1.30)

4/19-25

12,075

1,727

5,054

2,333

2,276

 

3,285

( 0.96)

4/26-5/2

10,362

1,865

4,989

1,986

1,986

 

2,203

( 0.63)

*5/03-09

6,999

1,417

4,902

1,349

1,344

 

907

( 0.27)

5/10-16

11,180

1,904

6,017

2,436

2,358

 

938

( 0.27)

5/17-23

12,306

2,026

5,743

2,969

2,407

 

654

( 0.18)

5/24-30

13,593

2,003

6,508

3,310

2,441

 

511

( 0.14)

5/31-6/06_______

13,838

2,217

6,320

3,480

2,424

 

392

( 0.10)

6/07-13

12,546

2,170

6,999

3,549

2,430

 

313

( 0.08)

6/14-20

11,301

2,374

6,146

3,157

2,590

 

241

( 0.06)

 

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