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334. プレリードッグと野兎病. 10-23-2003.
 
日本国内に年間一万匹を超える北米産のプレリードッグがペット用動物として輸入されているようです。プレリードッグは、草原に穴を掘ってそのなかで生息しているリス科の動物で、イヌの鳴き声に似ているところからプレリードッグと呼ばれる。
 
米国のプレリードッグ輸出施設で野兎病が発生し、日本にも野兎病に感染した疑いのあるプレリードッグが輸入された可能性があるとの情報が米国CDCより連絡があった。これを受けて厚生労働省は、全国調査を実施したが、輸入されたプレリードッグに異常は認められず、野兎病患者の発生もないことが確認された。
 
北米では野生のプレリードッグがペストを媒介することが指摘されていることから、いったんペット用に輸入されると国内での追跡調査がきわめて困難になることが明らかになった。厚生科学審議会感染症分科会では、プレリードッグに起因する動物由来感染症の新入を未然に防ぐために、早急に輸入に厳重な規制を導入し、充分な危機管理を図るべきであるとの結論に達した。
 
これを踏まえて、感染症法の施行令の一部が今年の3月から改正され、プレリードッグの輸入が原則禁止され、その上国内でペストが発生したときプレリードッグの届出義務が追加された。
 
野兎病は、野兎病菌の感染によって起こる感染症で、本来はげつし動物類の病気で、感染動物の肉を食べたり、毛皮をはいだりする際に人にうつる。悪寒、発熱、頭痛、皮膚の潰瘍、リンパ節の腫れなどの症状がでる。大原八郎医師(1882-1943)が福島市でこの病気を研究、野兎病と命名した。
 
ペストは、ペスト菌の感染によって起こる。症状が激しく死亡率が高い。古くはしばしば大流行し、特に14世紀にはヨーロッパ全域に大流行した。ペスト菌は、本来はネズミや野生のげつし動物類の病原菌であるが、ノミなどの昆虫を介して人に感染する。1894年、北里柴三郎およびフランスのエルサンがそれぞれ独立に発見した。

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