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531. 母親の口腔細菌が胎児より検出.8-20-09.
キーワード:母児感染、口腔細菌、胎児から検出
 
ロンドン・クイーンメアリー病院のCecilia Gonzales-Martin博士らは、妊婦の口腔内に生息する細菌は、血流を介して子宮と羊水に伝播することがあり、胎児に感染する可能性があると微生物学会(Society of General Microbiology)の年次総会で発表した。
 
G.-Martin博士らは、胎児57例の胃の吸引物を細菌学的に調べたところ、46種類の細菌を検出した。その中で最も多かったのは膣由来の細菌と考えられたが、通常口腔以外の場所からは検出されない細菌も2種類見つかった。これらの口腔内細菌は、Granulicaella elegansStreptococus sinensisで血流に入ることが知られている菌種である。
 
同博士は、次の手段としてDNA検査により胎児から発見された細菌が、それぞれ母親の口内に生息する細菌と一致するか否かを検討することだと述べている。
 
口腔内に常在的に生息している細菌が抜歯などにより全身感染を引き起こし、重篤になる可能性が段々と明らかにされてきている。先に掲載した「435. 口腔内の細菌が全身病の原因」によると、「健全な口腔の人たちと歯周病のある人たちとの全身病罹患率」を比較調査した結果、早産の危険率(2,500g以下の低体重児出産)は7.5倍とある。このことは、母親の口腔内細菌が血流を介して子宮内に入り、その後に羊水に到達し、胎児はその羊水を吸ったり吐いたりしているので感染する可能性があることを示唆している。 母親の膣内および口内の細菌の一部は、胎児に対して危険因子である。

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