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551. 経口グルコサミンの腰痛軽減への効果なし.6-30-10.
キーワード:グルコサミン、慢性腰痛、腰痛軽減効果
 
変形性腰痛症を伴う慢性腰痛は、多くの成人によく見られ、これらの患者にグルコサミンが用いられる機会が増えているが、その効果についてはいまだ明らかにされていない。
 
オスロー大学病院整形外科学のPhilip Wilkens氏らは、慢性腰痛と変形性腰痛症のある患者への経口グルコサミン療法に痛みと関連する障害を軽減する効果は認められなかったとJAMAに発表した(Effect of Glucosamine on Pain-Related Disability in Patients With Chronic Low Back Pain and Degenerative Lumbar Osteoarthritis. JAMA?304(1): 45-52, 2010.)。その概要を紹介します。
 
検討対象患者は、オスロー大学の外来を受診した25歳以上で6カ月を超える慢性腰痛と変形性腰痛症を有する患者250例を経口グルコサミン投与群125例(1日に1,500mg)およびブラセボ群125例に無作為に分け、6ヶ月間の効果を比較した。
 
主要なエンドポイントは、アンケート調査(the Roland Morris Disability Questionnaire (RMDQ))で測定した痛みと関連する障害とした。登録時の平均RMDQ値は、グルコサミン投与群は9.2で95%信頼限界は8.4-10.0、プラセボ群は9.7で95%信頼限界は8.9-10.5で有意差は認められなかった。
 
1日に1,500mgのグルコサミン投与群とブラセボ群の結果は、治療開始6カ月後の平均RMDQ値は、両群ともに5.0であり、1年後もグルコサミン群が4.8、ブラセボ群が5.5といずれも有意差は認められなかった。
 
 
ここに紹介したオスロー大学の成績は、米国医師会雑誌JAMAに掲載されたものである。第3者機関としての審査委員会の厳しい審査に耐えられた成果のみが最終的にJAMAに掲載されるので、この雑誌に発表された成績は信頼できるものと思われます。国内外を問わず俗に云う「サプリメントまたは健康食品」は、かなり売れているようであ。しかし、ここに紹介したグルコサミンにしてもその作用は十分には検討されていないにもかかわらず、販売会社の宣伝力(経済力)で売りまくっているように感じられます。その他のサプリメントについては判らないが、少なくてもグルコサミンに腰痛軽減効果は認められないようである。

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