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563. 麻疹の母子免疫は生後半年で消失
キーワード:麻疹、ワクチン、自然感染、免疫抗体、母子免疫の継続
 
ベルギーのアントワープ大学のワクチン・感染症研究所のElke Leuridan氏(N Hens教授)らの研究グループは、母体から受け継いだ麻疹抗体は生後半年で消失することが分かったと発表した(Early waning of maternal measles antibodies in era of measles elimination: longitudinal study BMJ 2010; 340:c1626)。
 
Leuridan氏らは、2006年4月からアントワープ州にある5病院で、健康な母親と乳児207組を対象に乳児に対する麻疹抗体の母胎免疫の持続期間を検討した。
 
対象とした母親は、
1.乳児期に麻疹ワクチンを接種されたワクチン接種群、
2.幼少期に麻疹に感染し自然免疫を獲得した自然免疫獲得群の2群に分けた。
対象とした乳児は、生後1カ月、3カ月、12カ月に加えて、または9カ月時のいずれかで採血して評価した。
 
その結果、自然抗体獲得群の女性と比較し、ワクチン接種群の母親では有意に抗体価が低かった。同様に自然抗体獲得群の母親の乳児に比べ、ワクチン接種群の母親の乳児では、抗体価が低かった。
 
母親由来の抗体の持続期間を比べと、自然抗体獲得群の乳児で平均2.63〜3.78カ月であったのに対しワクチン接種群では0.97カ月であった。さらに生後6カ月時では、ワクチン接種群の乳児の99%以上の抗体が消失しており、自然抗体獲得群でも95%では母親由来の抗体が消失していた。また両群とも生後9カ月時と12カ月時に抗体陽性で会ったのは皆無であった。
 
今回の研究結果により、ワクチン接種群も自然抗体獲得群でも乳児は麻疹に感染しやすくなっていることが判明した。最も重要なのは、1回目の麻疹ワクチンの適切な時期に接種することだと結論つけている。
 
 
ここに紹介した研究は、ベルギーというヨーロッパで実施された結果である。日本国内では、ワクチンを受けない人やワクチンを受けさせない人が多く、その結果欧米各国から麻疹の輸出大国と迷惑がられていると聞いたことがある。女性の悪性腫瘍で自分で行う触診でも検出が可能な乳ガンや有効なワクチンが開発されている子宮ガンで死亡する例が増加しているように聞く。一般に悪性腫瘍であっても、痛みもなく静かに進行するため、気がついた時は既に末期であることが多い。末期ガンまで進行してなく極めて初期で見つかっても、転移しないガンは珍しく、ほとんどの場合次から次と転移や再発を繰り返すケースも珍しくない。とすると入退院となり家族も含めて経済的にも精神的にも大変なことになる。ガン検診やワクチン接収を積極的に受け入れましょう。

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