◆ヒト成人T細胞白血病ウイルス [Human T cell leukemia virus(HTLV)]

 成人T細胞白血病の病因ウイルスです。日本南西部(沖縄、九州、四国)、カリブ海沿岸やアフリカに多く存在する。ウイルス核酸は、1本鎖RNAですが感染細胞内でウイルス粒子に存在する逆転写酵素でRNAはDNAに逆転写される。ウイルスは、ヒトTリンパ球に感染し、長い潜伏期(平均50年といわれる)の後成人T細胞白血病を起こす。ウイルスの伝播は、母児感染、夫婦間感染や輸血によります。現在、ウイルス保有者(キャリアー)の発症は、ウイルスを保持している母親から母乳により新生児に感染します。成人以降に感染しても、潜伏期が長いため発症する可能性は低いと思われます。ワクチンなどの予防法は確立されていません。ウイルス感染の診断法が確立されているため現在、輸血による感染はほとんどないといわれている。
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