◆B型肝炎ウイルス [Hepatitis B virus]

 ウイルス性肝炎の原因ウイルスで、感染性ウイルスはデーン粒子とも呼ばれる。直径20nmの小形球状粒子および管状粒子と共通のS抗原であるエンベロープをもつ。内部に27nmのコア、C抗原が存在する。デーン粒子を多く含み感染力の強い血中には、非粒子性のE抗原が検出される。ウイルスの伝播は、主に輸血である。潜伏期間は2〜3ヶ月。母児感染の場合は、ウイルスを保持し続ける保有者(キャリア−)になる(2%が無症状キャリア−)。母子感染の場合は、95%以上は出生時に感染し、一部は出生前に感染しているものもあり、一過性の感染も不顕性感染から重症の死亡率の高い劇症肝炎まである。また持続感染も不顕性のキャリアーから慢性肝炎のキャリアーもいる。慢性肝炎から肝硬変に進むもの、原発性肝癌に進むものもあります。急性期の症状はA型肝炎の場合と同様で、経過は長い。ウイルスの予防は、HBVワクチンがある。
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