◆レオウイルス [Reo virus]

 ヒトレオウイルスには1〜3型があります。1型は冬季流行の小児かぜ、2型は乳幼児下痢症、3型は熱性上気道炎から分離されます。3型は向神経性で神経毒がある。ウイルスの伝播は、経口感染と飛沫による感染である。動物実験では脳炎や糖尿病(3型)、肝炎、膵臓炎(1、3型)、慢性疾患で自己免疫的症状(1、3型)があらわれます。ワクチンなどの予防法は確立されていない。
関連 ウイルス

 動植物のRNAウイルスの1群で、かつてエコーウイルス10型とされていたが、症状やウイルス性状の違いなどのよって分離させ、呼吸器・腸管孤立ウイルス(respiratory enteric orphan virus)の頭文字をとってレオウイルスとなった。ウイルス粒子は直径60-80nmの正二十面体で、中心(コア)は2本鎖のRNAで、タンパク質から成る二重のキャプシド(外殻と内殻)に包まれている。エンベロープはもたない。粒子内に逆転写酵素(遺伝情報をRNAからDNAへ写し換える酵素)を含んでいる。ヒトや哺乳類の胃腸疾患などをおこすレオウイルス、乳児の嘔吐下痢症をおこすロタウイルスなどがある。

関連 タンパク質
関連 キャプシド
関連 エンベロープ