◆ジフテリア[Diphtheria]

 ジフテリア菌(Corynebacterium diphtheriae)の感染によって起こり、咽頭、喉頭、鼻、時に他の粘膜や皮膚が侵される急性疾患である。炎症を起こしている咽頭や扁桃には、ジフテリア菌の産生する外毒素(ジフテリア毒素)による灰白色の偽膜(pseudomembrane)が形成・付着する事が多く、乳幼児では呼吸困難から重症になることがある。この菌による感染は,患者や保菌者との直接接触感染で、稀に分泌物を介した感染も見られる。ジフテリアは毒素性の疾患なので、予防にはトキソイドを予めワクチンとして投与して生体に抗体を作る能力を付与する。
 現在日本では、ジフテリア菌毒素のトキソイドと破傷風菌毒素のトキソイドを百日咳菌由来の活性物質と混合したDPT三種混合ワクチンを投与して、ジフテリアと破傷風の感染に対する抵抗力を強めている。
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