▲▲ ▼▼

160.家庭用生ゴミ処理機の微生物汚染9-30-99.

@.廃棄物減量に数値目標

  次ぎのような内容の新聞記事が9月28日発行の全国紙夕刊に掲載されていました。政府は、28日リサイクルや中間処理の強化などで、埋め立てに回す廃棄物の最終処分量を2010年までに1996年度の半分にするなどの減量化目標を決定し、厚生・通産・建設の関係省庁が連携し、具体的取り組みを進める。厚生省によると、国内のゴミ排出量は96年度で、家庭ゴミなどの一般廃棄物が5300万トン、産業廃棄物が4億2600万トン。焼却などの中間処理やリサイクルを行っても、一般廃棄物は年間1300万トン、産業廃棄物も6000万トンが埋め立て処分されている。一般廃棄物の埋め立て量を、リサイクルや分別収集を徹底して650万トンにするというのです。

家庭の台所から毎日出る生ゴミは、少し金額がはりますが、市販されている家庭用生ゴミ処理機を使うと上手く処理できるようです。1キロから1.5キロ程度の台所からでる野菜や果物のくず、魚の骨や残飯の類は、1日で形は消えてしまいます。機種にもよるとは思いますが、思ったよりは悪臭に悩まされることも少なく、省電力もそれほど大きくないようです。

  地方自治体によっては、回収しなければならないゴミ量を減量化するために、家庭用生ゴミ処理機の購入代金の一部を補助してところもあると聞きました。私も研究室で全く別な目的で製造会社の異なる家庭用生ゴミ処理機を数台使用しています。添付されている菌床(一般にはオガクズ?が多い)や細菌などの附属品は、使わないので私には不用品なのですが、説明書を良く読むと自然界から取り出した無害の微生物であるとの記載があり、月に一度程度菌床などの内容物は交換し、堆肥として家庭園芸に使ってくださいとあります。庭のある家庭には、肥料もできて良い商品と思われます。


A.家庭用生ゴミ処理機の安全性.

  微生物の専門家としては、家庭用生ゴミ処理機の安全性について少し気になることがあります。自然界から採取した安全な微生物とありますから、野菜や魚などを分解するために添付されている菌は、私自信まだ確認はしていませんが一応安全であるとしましょう。

  私が気になる安全性とは、捨てるゴミに付着して混入する可能性のある病原菌のことです。どこの製品も、使用する菌が無害であるとは記載されていますが、混入するかも知れない病原菌については、試験したのかしてないのか判りませんが、なんの記載も無いようです。例えば、
サルモネラ菌、MRSA、O157等の食中毒を起こす細菌に汚染されている野菜、魚、卵や調理品などを生ゴミ処理機に投入したら、それらの病原菌が処理機の内部で増殖する可能性は無いのでしょうか。もしO157などが増殖すると仮定したら、生ゴミ処理機は病原菌のフランキとなり、O157などを含む生ゴミ処理機の中身を堆肥として使うことは危険なことになります。

  私共の研究室で購入した処理機は、正確な記載はありませんが30℃から40℃程度の温度に保持されるように設計されているようです。しかし、良く発酵すると60℃近くになるとも書いてあります。サルモネラ菌、MRSA、O157等の人間に害を与える病原菌は、30℃から40℃程度の温度で良く増殖します。これらを中温菌と呼び、50℃を超えた温度では増殖できません。そのため、良く発酵して60℃を超える温度になれば、サルモネラ菌、MRSA、O157、結核菌、セラチア菌等は増殖することは一応ないと考えられます。

  しかし、食中毒を起こす菌には、
熱に抵抗性を示す耐久型の芽胞を持つセレウス菌ボツリヌス菌も存在します。良く発酵して60℃を超える高温度になった場合には、たとえ有芽胞菌でも増殖はしませんが、死滅することは絶対にあり得ません。発酵が終了した後、温度が下がり出すと芽を出して増殖を開始する可能性が充分に考えられます。

  30℃から40℃程度の温度で生ゴミを処理するように設計されている処理機は、可能性として病原菌の付着したゴミを投入することは危険で避けるべきと思います。魚や肉を与えて良く発酵すると60℃を超えることがあれば、今度は添付されている処理菌も温度に絶えられず「発酵能力弱り、悪臭発生の原因」となる可能性が考えられます。

  生ゴミ処理機の製造会社は、このへんの安全性も検討し、使用者に不安を与えないような広報をしてもらいたいと思います。説明書に記載されていないことは、病原菌の添加試験による安全性を確認してないものと考えられます。

  生ゴミ処理機を使われている方は、製造会社または販売会社に病原菌が増殖しないことを証明する安全試験の実施の有無を聞いてみては如何でしょう。このようなことを質問するだけでも、相手企業には刺激になり、結果的には良い商品を生む原動力になると期待したいものです。

▲▲ ▼▼


Copyright (C) 2011-2017 by Rikazukikodomonohiroba All Rights Reserved.