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188.母乳に白血病の予防効果.472000.

  乳児に母乳を与える効果について「122.母乳の恵み12-19-98.」で腸内に定着する細菌の種類とウイルスによる感染に対する効果について紹介しましたが、また別な効果がわかったようです。母乳には乳児をアレルギーから守るだけでなく、急性白血病からも守る効果が期待できそうだとの報告が米国立ガン研究所雑誌(Journal of National Cancer Institute 91:1765-1772, 1999)に掲載されています。概略をかいつまんで紹介します。

  この論文を書いたのはサウスカロライナ大学小児科のシュー博士で、「白血病の子供二千例以上を対象に検討した結果、母乳によって白血病のリスクが約20%低下することが判明した」と報告しています。

  この研究は、急性リンパ芽球性白血病の患児1,744例と同年令層の対照群1,879例(1−14歳)、および急性骨髄性白血病の患児456例とその対照群539例(1−17歳)を対象に選び母乳の効果についての研究を実施した。

  その結果、母乳群では急性リンパ芽球性白血病と急性骨髄性白血病ともに発症するリスクが低下し、全体での発症は母乳を与えた群は21%も低下した。また母乳を与えた期間が長ければ長いほど発症リスクが低下する傾向を示し、母乳の効果が最も顕著であったのは6ヶ月以上母乳を与えグループであることを確認した。

 妊娠が経過して臨月に近づいてもお乳はでませんが、赤子が生まれた瞬間からお乳(初乳)がでます。脳の機能障害から不幸にも植物人間になった妊婦から帝王切開で赤子を生ませた珍しいケースを経験したことがあります。そのとき驚いたことに男児が誕生した直後にお乳があふれてきました。母乳は脳機能とは無関係に作られる不思議な存在であることが判りました。お乳は、作られ方も不思議ですが、その内に秘めている能力にも神秘さを感じる不思議な物であることを学習しました。

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