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206.アトピーを予防する法.8‐1‐2000.

1.アレルギーの予防は可能か?

  幼少期にある微生物の感染をうけると、アトピー性疾患や呼吸器アレルギーの発症を予防できるか? そうであれば、どの微生物による感染症が予防効果をもたらすか?――という疑問が論争になっている。

  ローマの科学者達がこの「衛生上の仮説」についてのデータを報告しています。イタリア空軍兵学校の生徒1,659人からアトピー性疾患を持っている240人と対象者240人を選んで回顧的な調査を行いました。

  空気感染するウイルス(麻疹、ムンプスと風疹)と、糞便や飲食物を介して感染する病原体(ピロリ菌、A型肝炎ウイルス、トキソプラズマ)への感染状況を調べました。その結果、腸管の疾患に感染したことのない人達は、感染したことのある人達よりもアトピーやアレルギーの発症頻度が3倍近くも高かった。さらに、口から感染する微生物に感染しているほど、アトピーの発症頻度が低いことが判ったようです。

  これらの知見は、腸管関連のリンパ系組織を刺激する微生物の感染が、アトピーとアレルギーの予防に必要である可能性を示唆していると考えられます。「アレルギー予防のために、特に幼児期に安全に免疫系を刺激する方法を学ぶ必要がある」という言葉でイタリアの科学者は報告を結んでいます。(BMJ,Feb.12) 

2.回虫はアレルギーを抑制する. 

  回虫などの寄生虫に感染している人は、アトピー性皮膚炎になりにくいという科学者がいます。その根拠として、1950年代の日本国内では回虫の感染率が60%でありましたが、1970年代になると0.2%、1980年代には0.02%にまで減少したのだそうです。この回虫の感染率の減少と逆比例して日本人にアトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎や気管支ゼンソクなどのアレルギー性疾患が急増したのだそうです。

寄生虫の感染を受けると、専門家が「IgE」と呼ぶ免疫抗体が産生されます。アレルギーの症状もダニや花粉などのアレルゲンに対する「IgE」免疫抗体の作用によって表れます。ところが、回虫の感染によって、ある量の「IgE」抗体であるタンパク質が既にできていると、花粉のようなアレルゲンが体内に入ってきても花粉に対する「IgE」免疫抗体はできないようです。そのため、寄生虫の感染者はアトピーやアレルギーになりくいと説明されています。

ここに紹介しましたイタリアの報告では、例えば、「ピロリ菌」を胃にもっている人達は、胃潰瘍になるかも知れませんが、アトピーやアレルギーの発症頻度が3倍近くも低いということです。これらの事柄を広く解釈すると、回虫のある有効成分を取り出してワクチン化し、それで人体を免疫すると「IgE」免疫抗体が誘導されて、アトピーやアレルギーの症状が発現しにくくなるのかも知れません。

このイタリアの報告や回虫感染率の減少などを熟考すると、清潔志向が進みすぎて抗菌加工製品の氾濫している社会は、やはり異常であるばかりか、結果的には不健康な結果を招く可能性を示唆しているように思われます。みなさんはどのように考えられますでしょうか。

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