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308.火を考える.12-25-2002.

ヒトとサルを分けた火.

今日はクリスマスで、クリスマスプレゼントに一冊の本を発行日より前にいただきました。2003年1月1日発行となっている最首公司著「人と火−エネルギーと環境を旅で考える−」という著書で、表紙に付いている帯に『ヒトとサルを分けたのは「火」。そのルーツを訪ね、C(炭素)を出さない第2の火を求め、考えるヒューマノミックス・エネルギーの旅。』とあります。

最初のページの「はじめに」を読んで直感的に面白そうな本だと感じました。なんとも斬新な発想の書き出しで、このようなモノの見方もあるのかと驚きました。「はじめに」の一部を紹介します。

・・・いまからおよそ100万年前、私たちの祖先は初めて「火」を手に入れた・・・僕たちの祖先が火を手に入れた動機は、害獣から身を守るためだと思う・・・考えてみると、ヒトとサルを分けたのは「火」ではなかったろうか。

この「火」の原料は長い間、薪と木炭が主役だった・・・古代文明は木を伐り尽くして・・・滅びた。これが石炭に変わって、文明が再生するのは一八世紀後半に始まる「産業革命」・・・「薪炭時代」は、人口の増え方もゆるやかで、イエス・キリストが生まれたころの推定世界人口二億5000万人が、二倍の五億人にまだ増えるのに1600年かかっている。それが、「石炭時代」に入ると、わずか100年(1830年の10億人が、20億人になったのは1930年)に縮まった。

これは薪炭より石炭の方がエネルギー効率がよく、人間を増やし、養うことができたせいか、人口倍増年数は五〇年(1930年の20億人が80年に約40億人)に縮まった。人口が増えるためには、いかにエネルギー資源が重要であるかということが、このことでもよく分かる。

木は水素原子(H)1個に炭素原子(C)が10個もついている。石炭はH1個にCが2個で、炭素は木の五分の一だ。石油になるとH2個にCが1個と、CとHの数が逆転する。・・・天然ガスだとH4個にCが1個だから、燃えてもCを出す量は「薪」の四〇分の一、石炭の八分の一と・・・人類はCの少ないエネルギー源を求め、獲得に成功して人口を増やすことができた。

・・・これまでの文明を後押ししてきたエネルギー源を「第一の火」とすれば、「第二の火」はCをださないもの・・・「Cゼロのエネルギー源」、つまり「ウラン」と「水素」・・・である。元素のなかで最も重いウランと最も軽い水素が主役になろうとは、なんと味な組合せではないか。・・・・。

著者の最首公司(さいしゅ こうじ)氏は、東京新聞の編集企画委員や編集委員を務め、中東やエネルギー問題を一貫して担当し、現在は日本アラブ協会の理事やNPO燃料電池・水素エネルギーネットワークの理事、その他の重職にある方です。

最首氏による「人と火−エネルギーと環境を旅で考える−」は、日本国が抱えている現在と将来のエネルギー問題を平易に解説することを目的としているものと思われます。ジャンボジェット機、例えばボーイング747型機のエンジンの出力は60,000kW(6万世帯、18万人分の電気)を発電する能力がある。ジャンボ機は4基のエンジンを搭載しているからジャンボ機の乗客は240,000kWの発電所と一緒に大空を飛んでいるようなものだ。・・・日本は毎日石油のために約144臆円ずつ払っている。その結果日本人は年間一人2,500kgの二酸化炭素を排出している。・・・中東のエネルギー政策、イスラーム世界の人々、ラマダンと聖地、地下埋蔵物は誰のものか、オイルマネーをどう分配するかなどなど、普段私にはなじみが薄かった問題を平易に語りかけています。

ウランと水素が主役.

過去10年間ほどシロアリから取り出した水素を作る細菌と私は楽しい時間を共有してきました。細菌は人間と違って決してウソをつがず、100パーセント掛け値なしに正直に対応してくれます。アリババではありませんが、「開けゴマ」とオマジナイをかけると、細菌はそれに応えてくれるので、細菌と遊んでいるととても楽しいものです。

これからの時代は、燃やしても二酸化炭素を出さない炭素Cを含まないウランと水素が主役になると聞きますと、水素を作る細菌と戯れている者としては「我が世を得たり」と嬉しくなってしまいました。

水素ガスを作りながら廃棄物を処理するシステムを構築したいといま真剣に考えているところです。来年中にはなんとか水素元年を宣言したいと願っています。ちょうどそのような気分になっている時、ジャーナリストとしてエネルギー問題を一貫して取り上げてこられた専門家の方が「ウランと水素が主役」と書いているのを見つけて、これは私へのエールと勝手に解釈して喜んでいる次第です。年末年始の休みを利用してこの面白そうな本を読みきりたいと張り切っています。

今週に入ってから私たちの曖昧糢糊を開いてくださった人の数が7万人を超えました。今年だけでも1万人を超えています。たいへんあり難いことと感謝しています。皆さんにとっても来年は良い年でありますよう祈願しています。私も水素元年を宣言できるようがんばります。

 

 

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