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195.頭痛と気象条件.5‐25-2,000.

1.不思議な頭痛.

  年令的なことが原因と思いますが、私は花粉症に悩まされることは今だかってありません。しかし、普通の人達とは違ったものに対して反応する奇妙なアレルギー体質です。小さいときから金属アレルギーで、特に「水銀」には強く反応して皮膚炎になります。中学生から高校生の頃は、温度の変化に反応する寒冷ジンマシンに悩まされました。成人してからは、気圧が低くなると頭が痛くなる「診断名ナシ」の頭痛もちです。気圧が下がってしまった低気圧の状態では平気なのですが、気圧が低くなる過程で血圧が上がり、頭が痛くなり、ひどい時は冷や汗がでて、胃が痙攣して吐き気がおこります。私の頭は、「あした雨が降るらしい」ことを予測できる一種のバイオセンサーです。「頭が痛くなるらしい」と言葉では表現できない予兆を感じると、鎮痛剤を服用して頭痛を予防できます。

  気象状態の変化が頭痛を起こす引き金になるらしいとの研究発表を見つけました。私としては、自分以外にも天候の影響で頭が痛くなる人達がいることを知った初めての情報となりました。微生物とは全く関係有りませんが、その研究発表の概略を紹介します。論文が掲載されているのは、米国神経学会から発行されている「神経学」というタイトルの雑誌です(Chinook winds and migraine headache, Neurology 54: 302-307, 2000)。

2.チヌック風が頭痛の原因?

  頭痛にもいろいろな種類があるようですが、頭痛がとうして起こるのかの原因は必ずしも解っていないようです。その発症メカニズムは多種多様のようですが、なにが引き金になるのかはまた良く研究されていません。

  興味ある現象として、カナダのアルバーター州の南部では、チヌック風Chinooksと呼ばれる暖かい西風が頭痛の原因となると多くの頭痛持に言われているが、気象状況と頭痛をつなぐ証拠がほとんどない。そこでカナダ・カルガリーにあるカルガリー大学医学部臨床神経科学研究室の医師達は、カルガリー大学頭痛研究診療所に治療に訪れる16歳から65歳の頭痛持患者75人に依頼して、チヌック風と頭痛の関係について記録を2年間にわたってつけてもらい、それを分析しました。

  その結果として判ったことは、次ぎのような事柄てありました。風が吹かない日と比較して、チヌック風が吹く前とチヌック風が吹いている日に頭痛の起こる頻度は高くなった。即ち、75例のうち32例の患者は、チヌック風が吹く天候状態のときに頭痛の起こる頻度が高かった。時速38キロ以上の強い風が吹く日に頭痛が起こる人は32例中15例であったのに対して、チヌック風が吹く前に頭痛が起こる人が32例中17例でありました。このことは、強いチヌック風が吹いている日に頭痛が起こる集団とチヌック風が吹く前に頭痛が起こる集団とが存在することを明らかにしました。50歳以上の年令集団では50歳以下の集団と比較して、強いチヌック風が吹いている日に頭痛が起こる人の数は、チヌック風が吹く前に頭痛に頭痛が起こる人の数より多かった。

  この報告では、観察結果を述べているが、気象状態の何が脳にどのように影響するのかそのメカニズムは不明であるとしています。私の体験からこの論文に記載されている成績を解釈すると、風の有無と強さは気圧の差と読み替えられ、「チヌック風が吹く前とは気圧が低下しつつある過程を」、また「強いチヌック風が吹いている日は気圧が下がった状態を」意味します。このように解釈できるとしますと、「チヌック風が吹く前に頭痛が起こる32例中の17例」の患者と私は同じ集団に分類されると思います。

  真偽の程は別にして、地震を予知するナマズの話は良く聞きます。これも私の頭痛と低気圧との関係になにか脈絡があるのかも知れません。非科学的な話に聞こえるかも知れませんが、皆さんはどのように感じられますでしょうか。

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