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470. ウナギの蒲焼とマラカイトグリーン. 6-29-2007.
キーワード:有害物質 抗菌物質 マラカイトグリーン ウナギ 食品
 
ウナギの輸出規制
フランスなど欧州諸国は、乱獲を防止して種を保存する目的で、ウナギの稚魚シラスの輸出を規制することを決めたようです。これまで稚魚のかなりの多くは中国に輸出されているようです。中国では輸入したウナギの稚魚を中国国内で養殖して、育てたlうなぎは「かば焼」に加工されている。そのかば焼の多くは、日本へ輸出されているのだそうです。
 
 
中国がウナギの稚魚を大量に買い付けられないとすると、必然的に結果は日本にやってくることでしよう。中国からウナギの蒲焼を買えなくなってくるからです。
 
日本国内ではもう既にウナギの稚魚シラスは、ほとんど取れないし、取れても品薄から高値で売買されているようです。日本国内で多くの消費されている安い「うなぎのかば焼」は、そのほとんどが中国産といわれています。
 
中国人は、ウナギをどの程度食べるのか分かりませんが、国内で消費するより日本に輸出する方が高く売れるのでしよう。自分たちでは食べない食材のようです。
 
 
中国製「うなぎのかば焼」から禁止薬剤
厚生労働省は、輸入時のモニタリング検査において、中国産養殖ウナギ加工品(主にかば焼と思われる)からマラカイトグリーンが検出された違反事例を公表しました。

また食品衛生法第26条第3項に基づく検査命令を実施しており、マラカイトグリーンが検出されたものの輸入や流通は認められていません。練りハミガキや子供用のオモチャをはじめ、中国で生産されてから日本に輸入されている食品や玩具から、検出されてはいけない化学薬品、抗生物質や重金属などが、次々と検出されています。これは日本だけの例外でなく、他国でも同じような傾向があるようです。
 
 
マラカイトグリーン
我々微生物屋には、なじみのある色素です。マラカイトグリーン(malachite green)は、青緑色の塩基性有機色素です。マラカイトグリーンという名称は、マラカイト(孔雀石)に色調がよく似ていることによります。
 
マラカイトグリーンは、化学構造から還元作用があり、活性酸素を発生し抗菌力を示すと考えられています。そのため主に観賞魚などの白点病や水カビ病などの治療に用いられているそうです。しかしながら、食用の養殖魚に用いることは2005年8月から禁止となっています。
 
マラカイトグリーンは、大部分の細菌に対して殺菌的に働きます。特にブドウ球菌などのグラム陽性球菌に有効ですが、グラム陽性桿菌やグラム陰性菌に対しても有効であります。核酸塩基と親和性を示すことから発ガン性が示唆されていますが、いまだ毒性の正確な評価はなされていません。
 
小川培地は、世界的に有名な結核菌用の培地ですが、これにはマラカイトグリーンが添加されて利用されています。小川培地では、結核菌などの抗酸性菌の集落・コロニーを培地の色との違いで目立たせる役割も果たしています。
 
 
アメリカが中国ウナギ輸入禁止
米国FDAは、中国産のウナギ、エビ、ナマズ、バサ、ディスなど5種類の養殖魚類に、米国が使用を禁止している抗菌剤が相次いで検出されるため広範な輸入規制に乗り出すと発表しました。
 
中国産の魚類に対する輸入規制としては過去最大規模となる模様です。中国から輸入されたペットフード、練り歯磨き、おもちゃなどに有害物質が含まれていたことが次々と発覚し、中国の産品への不信感は一段と高まりそうな様相を呈して来ました。中国政府も食品の安全には強い指導や監督をしだしたようですが。
 
社会主義国でありながら、自由主義経済を急速な勢いで取り入れてきた結果、中国は短期間のうちに世界の工場と言われるようになりました。このこと自身は、必ずしも悪いことではないのですが、これまでほそぼそと農業を営んできた寒村の農家は、食べることがやっとの生活を強いられてきたことがあります。しかし、日本や諸外国が買ってくれるような物を製造すると幾らでも安ければ売れることに自覚しだしたようです。お金儲けのためには、大量に製造する必要があり、そのために化学薬品や有害物質も平気で使用する傾向が強くなったようです。
 
中国産の安いウナギのかば焼は、危なくて食べられない。しかし、国産の天然ウナギは、高くて食べられない。ミートホープの例もありますから、国産だからと言っても安全とも限らないのです。中国人は、中国の野菜などは生では食べないそうです。少し高くても信用できる食品を買うことが安全につながるようです。社会保険庁も含めて誰を信用すればよいのでしょうか。

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