561. アフリカでエイズにより壮年世代が減少
キーワード:HIV、エイズ感染、アフリカ諸国、人口減少、老齢者増加
スタンフォード大学医療政策センターのGrant Miller助教授らは、エイズで家族を亡くした高齢者の実態を調査し、残された高齢者のケアの重要性を訴えている。(AIDS and declining support for dependent elderly people in Africa: retrospective analysis using demographic and health surveys.BMJ. 2010; 340: c2841)
エイズによる死亡率が依然として高いサハラ砂漠以南のアフリカ諸国では、おもに世帯主である壮年世代がエイズで死亡し家族構成にひずみが生じている。家族をエイズで亡くし介護を全く受けていない独居高齢者が増えているとされるが、その実態はこれまで不明であった。
スタンフォード大学医療政策センターのGrant Miller助教授らの研究グループは、米国債開発庁のデータベースである人口健康調査を用いて、エイズで家族を亡くした高齢者の現状を分析した。このデータベースは、低〜中所得国における妊婦や小児の健康、HIVなどの健康指標に関する情報を蓄積したもので、1991年〜2006年にアフリカ22か国に居住する60才超の高齢者12万3千人が含まれる。
得られた情報を分析した結果、次のようなことが判明した。
結論として、こうした高齢者の健康や福祉に対するさらなる研究が求められていると指摘している。
アフリカ諸国、特にサハラ砂漠以南のアフリカ諸国では、おもな世帯主であり働き手である壮年世代がエイズで死亡し、高齢者の増加と平均寿命の極端な短縮により、悲惨な状況にある。おもに世帯主であり働き手でる壮年世代がエイズで死亡し家族構成にひずみが生じている。これまでにもその状況の一部については、「138.「疾病の国家経済に与えるインパクト. 509. HIVの異性間感染が多い」などで触れてきた。このままエイズのまん延を抑えきれないと、国家や民族が滅亡することが危惧されます。
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